パーツを切り出してみよう(その1)

型紙ができたところでいよいよ革を裁断していく作業にはいっていきます。
各パーツの切り出しは、それぞれ適切な配置を考えて革が無駄にならないように裁断していく必要があります。
また、革を切断するためには刃物が必須です。道具にはさまざまな種類があり、適切な使い方をすることで安全に作業をすることができます。ここでは道具の種類と特徴についても解説をしていきます。


各パーツの裁断までのながれ

革が余らないように配置を考える

切り出したい各パーツの型紙を全て革の上に乗せて、できるだけ無駄を出さない配置を探します。
切り出す繊維の方向によって、完成後の伸びや曲げやすさに影響が出るため、配置する際は注意しましょう。

型紙の輪郭をなぞる

裁断する線を革に転写するために、革の上に型紙を置いて輪郭に沿ってけがき(材料の上に傷をつけて線を描くこと)を入れます。
なぞるための道具としては丸ギリや銀ペンを使用します。

革を裁断する

けがいた線に沿って革包丁などを用いて裁断します。
革の厚みや切り出す形状によって道具を使い分けていきますが、実際にいろいろ試して最終的にはみなさんが安全で使いやすいと思う道具で作業してください。

カシベさん
カシベさん

今回の工程は簡単そうだね!

よしだまくん
よしだまくん

僕も好きな工程だけど、集中力が必要な作業もたくさんあるよ。

革が余らないような配置を考える

革には繊維の流れによって伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。使用するパーツに合わせた向きで切り出さないと、実際に使用している中で変形したり、曲げにくく使いづらかったりと完成度に大きく影響してきます。
軽く引っ張ると繊維の方向がわかるので、実際に各パーツを配置する前に必ず使用する革の向きの確認をしましょう。


繊維の方向の確認が終わったら、1枚の革からなるべく多くパーツを切り出すために無駄な革が出ないような配置を考えます。例えば、きれいに並べると10個のパーツが取れるのに、自由に好きなところから切り出してしまって7〜8個程度のパーツしか取れなくなってしまうともったいないですよね。革の繊維の方向を気にしながらできるだけパーツが切り出せる配置を考えましょう。

型紙の輪郭をなぞる

配置を考え終えたら型紙を革のギン面側(表面)に置いて、丸ギリなど先端の尖ったものや銀ペンなどで型紙の輪郭をなぞり、革に跡をつけていきます。これを「けがき」と呼びます。
このけがきの線に沿って裁断をしていきます。けがきに失敗すると完成品の表面にけがきの跡が残ったり、きちんと裁断としても実際にパーツを組み合わせたときに寸法が合わなくなる場合があります。型紙はしっかり押さえて、できるだけずれないようにけがいていきます。
輪郭をなぞる際には、先端を革に対して垂直にせずに少し寝かせてあまり力を入れずにけがくのがポイントです。
先端を立てすぎるとギン面を傷つけてしまい、引っかかりやすくなるためうまくけがくことができません。力加減は弱すぎると跡が見えにくく裁断がしづらくなるため、跡がきれいにつく程度の力加減でけがきましょう。


何度かけがいていくうちに角度や力加減がわかってきますのでそれまで繰り返し練習してみましょう。
道具については、タンニンなめしの革を使用する場合は、丸ギリがおすすめです。銀ペンと比べて線が細いため裁断するときにブレにくくなります。

カシベさん
カシベさん

取り数や方向とか気にしてなかったよ。

よしだまくん
よしだまくん

無駄のない配置でたくさん物を作ってみよう!


よしだまくん

ものづくりが趣味の「たまのようなナマケモノ」。意外と手先が器用。
カレーパンが好き。

カシベさん

よしだまくんの友達の「コケの妖精」。最近レザークラフトに興味を持っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)