型紙はものづくりで一番大事な設計図です。型紙の形状どおりに革を切り出し組み立てていくことで、革製品は完成します。つまり、型紙で革製品の完成度が決まると言っても過言ではありません。手先の器用さは多少影響しますが、完璧な型紙さえあれば誰でも同じクオリティで製品を作ることができます。どんなものづくりの世界でも、最初から完璧なものを作ることは難しいので、何度も試しながらきちんとした型紙を作っていきましょう。
ここでは、型紙を作るうえでの注意点と必要な道具について詳しく解説していきます。
![カシベさん](https://www.keycle.jp/wp-content/uploads/2021/09/850c7612116999490846136e772ab7fd-1.png)
型紙って絵を描いて切り取るだけでしょ?
![よしだまくん](https://www.keycle.jp/wp-content/uploads/2021/09/850c7612116999490846136e772ab7fd.png)
簡単に言うとそのとおりだけど、型紙作りは奥が深いんだよ。
型紙ができるまで
このときにできるだけ細かく、具体的に作りたいものをイメージします。
リストの項目を一つずつ落とし込んでいき、具体的な形をイメージができるラフスケッチにしていきます。
スケッチでは見えない部分もあるので、まずはコピー用紙や厚紙を使って折り紙のようにして形作っていきます。
イメージをかたちにするための重要な作業です。STEP.3で作ったものを展開し、方眼紙やCAD(図面を描くソフト)を使ってできるだけ正確に作っていきましょう。
※今回はSTEP1、2を解説していきます。
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型紙を作るのにこんなに工程があるの?できるかな・・・
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大丈夫!一つずつ丁寧に説明するよ。
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欲しいものを正確にイメージするのはなかなか難しいですよね。そこで、最初はお気に入りの財布や名刺入れなどを参考に『ここにカードがもう2枚入るといいな!』など、本当はこんな風に使いたいと思っている気持ちに目を向けていきます。物は使用するうちに使い慣れていきますが、こだわりをもって個別にオーダーメイドしたものを使用している方以外は、どこか改善したいところの1つや2つあるのではないでしょうか。それを箇条書きで書き出していくとイメージがどんどん具体的になっていきます。箇条書きにする時には次のようになるべく数字を使うことを意識するとよいでしょう。
- 名刺より少し大きなサイズにしたいので幅110mm、高さ70mm程度にしたい
- ポケットに入れたときにかさばらないように厚みは約20mmに抑えたい
- 何かの拍子に開いて中身が飛び出さないように直径12mmのボタンをつけたい
- ボタンの位置は全幅の中心で端部から20mmくらいの位置に設置したい
- 開閉するふたの部分は丸みを帯びた柔らかいフォルムにしたい
- 革は茶色でステッチは赤色にしたい
- 収納できる枚数は自分の名刺が20枚程度、相手からもらう名刺が5枚程度入ればいい
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![](https://www.keycle.jp/wp-content/uploads/2021/09/DSC_2661-1024x683.jpg)
上記のリストが完成したら次にラフスケッチを描いていきます。この記事を読んでるあなた、『絵心が無いからスケッチなんてハードルが高い!』と思っていませんか?そこで、先ほどの項目で具体的にイメージした箇条書きリストが役に立ちます。数値化した項目から順番にスケッチに落とし込んでいきましょう。スケッチする際には縦と横の比率を合わせて描いたり、小物であれば実際のサイズで描いてみることでより具体的な雰囲気がつかめます。
さらに正面・背面・側面(作りたいものが左右対称であれば片面だけでOK)から見た絵を描くと、それぞれの部品の形や点数、接着・縫い合せるところがより具体的になります。今回の場合だと側面が難しいのですが、そんな時はイメージをつくるために参考にした物を同じ角度から見ながら描いてみると描きやすいです。
使用する革によって曲がり方などが変わるため、このスケッチどおりに仕上がることはまずありません。ここでは70~80%の完成度を目指しましょう。
- 鉛筆(ステッドラー鉛筆 B)
- シャープペンシル
- 消しゴム(トンボ鉛筆 MONO(モノ))
- 定規(シンワ測定(Shinwa Sokutei)スケール JIS1級 15cm/30cm)
※本来スケールは測定器具のため線引きに使用するものではありません。
※上記の道具はもちろんご自宅にあるもので構いませんが、定規は金属のものがよいです。
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作りたいものが具体的に想像できたかな?
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ぼくは落とさないようにストラップをつけたいから、側面にリングをつけたいな。
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ストラップをどこに取り付けるかが具体的にイメージできてるね。
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よしだまくん
ものづくりが趣味の「たまのようなナマケモノ」。意外と手先が器用。
カレーパンが好き。
カシベさん
よしだまくんの友達の「コケの妖精」。最近レザークラフトに興味を持っている。
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